原油価格高騰で米国の航空業界破たんか?

原油価格高騰は車を運転しない人んびとには直接は関係ないかのように感じられてしまうが、実はかなり深刻な問題である。

2008年9月になって100ドルを切るかのように下落は始まったものの、140ドル越えの価格にはまたいずれ戻るものと思われる。

もちろん直接的に影響を受けるのはまさしく石油燃料を使う運輸業界で、航空業界はもともとぎりぎりのところで採算をとっていたのがこの1円の原油高騰でいよいよつぶれ去る可能性が見えてきている。

かつての花形産業、今や競争過多もあり、生き残りに必死である。





 AirlineForecastsとBusiness Travel Coalitionが共同で行ったこの調査は、「原油価格高騰の結果、米国の航空業界は重大な危機にあり、最悪の事態に進んでいる」と述べている。

 調査はさらに、1バレルにつき130ドル(約1万4000円)近くの原油価格が続いた場合、大手を含めた米航空会社数社が今年後半から来年前半にかけて債務不履行に陥ると指摘している。


と、いうことで、これを何とかするにはどうすればいいのか?今更このような業績の悪い会社に金融融資をしてくれる金融機関があるとは考えられないので(というよりもはっきり言って貸していた金をはぎ取ろうとするだろう。)、それでは見込めない。

それならば高騰する原油価格をそのまま料金に転嫁すればいいではないかという話にもなってくるが、残念ながら米航空業界はジェット燃料の高騰と国内経済の悪化を受け、これまですでにかなりの数と期間をかけて保有機体の削減、人員整理、および航空運賃の値上げを行ってきた。

 原油価格高騰の影響をもろに受けている最近でもつい最近の6月12日、米航空大手ユナイテッド航空(United Airlines)とUSエアウェイズ(US Airways)がなんとチェックインの最初の預け入れ荷物を有料とし、15ドル(約1600円)を課金すると発表したばかりである。ハンドインの荷物(機内持ち込み)に対しては今のところ課金されない。

 荷物搬入の人件費の削減を考えてのことだと思うが、そのうち、収入源としてハンドインの荷物に対しての料金請求も考えないとは限らない。その時に消費者がどう対応してくるかだ。

 そもそもこのようにして利用者、消費者に価格を転嫁することは可能なのだろうか?資産によると、原油価格が1バレルにつき130ドルで推移した場合、航空業界全体で年間300億ドル(約3兆2500億円)のコスト増となる。現時点では200ドルの話も出ている投機的な原油高の過熱、これでも甘い計算かもしれない。

 かりに130ドルだとしても、上位10 社だけでも年間250億ドル(約2兆7000億円)コストが増加するという。また、10ドルの原油価格上昇で、旅客専門航空会社40社のコストは40億ドル(約4300億円)増加すると見込まれる。

 一方で、航空運賃の値上げなどによる収入増は40億ドル(約4300億円)にすぎない。荷物預け入れなどのサービス有料化は業界全体で10億から15億ドル(約1100-1600億円)程度の収入増にとどまるという。

 ということは、135ドルとか140ドルとかになっただけで、さらなる利用料金の値上げをしないと追いつかないわけであが、それでは利用者が限られるのは目に見えていることである。

調査は、「一連の要因が、大手を含む数社が破たんに追い込まれる可能性を示唆する」と指摘し、「業界の再建は重要な国策となる必要がある」として、政府、議会、連邦機関、および州政府に対応策を求めている。

原油価格が1バレルにつき135ドルで推移した場合、業界全体で旅客機1000機以上の運航が停止され、8万人以上の人員削減が行われる可能性もあるが、それでも経営は好転しないだろう調査は指摘し、「米国の雇用、家族関係、商取引、地域社会、そして米国型の生活様式に多大な影響を与える」と警告している。


米国型の生活様式を世界中の人がすれば2年で世界は破産するというのは昔から指摘されていることで、米国人が少しはつましく暮らすというのは必要なことだとはあ思うが、それが一気に進んで景気が沈静化するのはぜひ避けておきたい事態である。
posted by くぅくぅ at 18:37 | 金融関連のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする